ブラタモリ 110224『六本木』

 まずは大名屋敷の街としての六本木。古地図と照らし合わせながらヒルズを歩く。ミッドタウン裏手の公園が綺麗!当時よりはかなりスケールダウンしてるそうだけど、それでも素晴らしい公園だなぁ。
 次は軍の街としての六本木。大名屋敷の一部が日本軍施設になり、戦後に米軍施設になり、今は巨大ビルが建ってるという流れ。国立新美術館、軍のために整備された道、地元の人が語る陸軍の街の様子。
 戦後、陸軍施設が米軍に接収され、六本木にアメリカ文化が流入。ここでガイドに井上順さん登場。若い!このおじいちゃんかっこよすぎるでしょ(笑) こんなにかっこいいおじいちゃんならもっとテレビ番組に出てても良さそうなもんだけど、もう悠々自適の生活なのかなぁ。
 ブラタモリお約束の"坂"を楽しんだ後は、窪地にある古い家並みをめぐる。再開発される予定ということだったけど、もったいない気がするなー。写真だからっていうのもあるだろうけど、途中に挿入されてた埋め立てされる前の街並みの写真はすごく風情がありました…。タモリさんが常々言ってる高低差の魅力なんですかねぇ。高低差が家並みを魅力的にしてるような。すごく「絵になる」感じがしました。
 当時の表面に歪みのあるガラス窓や土蔵などを有する明治時代の古民家も、再開発に当たっては特には配慮されていないとのこと。でも遺すべきだと思うなー。あんなの絶対あったほうが面白いですよ。再開発するなら尚更、あんな古くてセンスの良い建物は活かすべき。
 最後は超高層ビルの屋上から。東京の夜景を楽しむタモさんと久保田アナ。高所恐怖症のタモさんも夜景にご満悦なようで何より(笑)。
 タモさんの「夜景の暗い部分が元大名屋敷」「江戸は世界一綺麗な庭園都市」という言葉が今読んでる渡辺京二『逝きし世の面影』とシンクロした…。江戸〜明治の時代に日本を訪れた外国人の記述から当時の日本の様子を探ろうとするこの本の中で浮かび上がる江戸の街はまさに「庭園都市」。何百もの大名屋敷の庭園、自然を活かすかたちで整備された街路、手入れの行き届いた田園、そして民家はどんな貧しそうな家でも生け垣や庭先の草花をきれいにしつらえていたそうです。江戸は「都市であり田園、田園であり都市」というような、世界で唯一の不思議な「絵のような」美しさを実現していた都市だったそうで、この本を読んでタモさんが江戸に憧れる気持ちが少しわかったような気がしました。
 東京の壮麗な夜景に見とれながらも在りし日の江戸に思いを寄せるタモさん。まさにブラタモリ的なエンディング。