"企画主導で作られるドラマ性"にはノレない

 AKB総選挙がメディアを席巻していたそうで、僕もたまたま情報番組でチラッと見ました。
 それを見てて思ったのはやっぱり自分は、企画や仕掛けを次々と打っていってアイドルたちのドラマを積極的に作っていくああいうスタイルは苦手だなっていうこと。そしてたぶんASAYANと緊密だったころのモーニング娘。も他のアイドルファンから見たらあんな感じだったのかなぁと…。
 僕がモーニング娘。のファンになったのは2000年の初夏ごろ。ちょうどASAYANとあまり関わらなくなった頃からですね。テレビで異様な盛り上がりのスタジオライブを見たのがきっかけでした。「HEY!HEY!HEY!」だったかな?。それまでもモーニング娘。ASAYANの一企画としては楽しん見てたんですけど、まだファンではなかった。たぶんメンバーが企画に振り回されてる(企画者がメンバーを振り回してる)様子やそのノリに、なんかイヤなものを感じてたんだろうなぁ。そう考えると、自分はああいう強引なドラマ作りをされると冷めちゃうタイプなのかもしれないです。今回のAKB総選挙の映像見てて、「もしハロメンがあの状況に置かれたら…」って考えたらやっぱり嫌だったし(笑)、たぶん白けちゃうような気がしました。僕がファンになってからはほとんどASAYANには出なくなったけど、それで別に興味が薄れたりすることもなかったし、普通の活動の中で努力や成長や友情なんかが見れれば僕は十分なんだろうなぁ。

 一応言っておくと、僕はAKB48には全くノータッチで、バッシングのようなことはしてないし、もちろんモーニング娘。OGへのリスペクトも持ってます。楽曲も好きだし。それとは別に、「企画主導によるドラマ性の演出」みたいなのが好きになれないという話。
 あと、僕のような考え方のほうが正しいって言ってるわけでもないです。っていうか、むしろ僕のほうがマイナーでしょう。だってASAYAN期のモーニング娘。はすごい人気だったし、今はAKB48がこんなに大人気なんですから。企画によってドラマ性を演出してもらうのが好きな人が多数派で、それに乗れない人がマイナーなのは明らかです。そこは自覚した上での、"好み"の話です。

 たぶんハロプロのファンの間でも「ASAYANの頃のような企画主導型を復活させてほしい」という声は未だに根強いんでしょうね。それで初期モーニング娘。AKB48は成功してるわけで、そういうドラマ性の演出は一般層にウケる要素として有効なんでしょう。ブレイクを願うファンの声としては十分に理解できます。
 ただ、その「一般層のウケを狙える」というメリットは理解できつつも僕がそのスタイルに賛同できないのは、そういう演出に白けるっていうことの他にもう一つ、「今のハロプロの雰囲気が変わってしまう」というデメリットもあると思ってるから。

 僕がハロプロを好きな一番の理由は、大雑把に言うと「雰囲気」です。メンバーの人柄や雰囲気、グループの雰囲気、メンバーたちの関係性とか。その特徴はなかなか言葉にしづらいけど、敢えてキーワードを挙げるなら「ナチュラル」「無邪気」「素朴」といったところかなぁ。ハロプロ外の他の"アーティスト"や"テレビタレント"にはない雰囲気を感じてて、そこが僕にとってのハロプロの一番の魅力です。しかもその雰囲気は年々僕の好きな感じになってきてる。
 最近はハロプロの「歌とダンス」の魅力をネットでアピールしてるファンの人をよく見かけますが、僕にとっては「歌とダンス」は重要だけど一番ではない。だってもう10年以上もファンで、クオリティが上がってるときも落ちてるときも見続けてきてますからね(笑)。吉澤さんとミキティが抜けて、愛佳ちゃんとジュンジュンとリンリンが加入した2007年なんかはたぶん歌とダンスのクオリティは一時期落ちてたんじゃないかと思うけど、それでも余裕で好きでしたから(笑)。石川さんとこんこんとさゆみんが揃い踏みだった頃とかも(笑)。
(「歌とダンス」をアピールするのはプロモーション的に良い手だと思うので、そういう動画を投稿したりSNSでアピールしたりしてくれてるファンの人たちには感謝しています。僕にとってはそこが「好きな一番の理由」ではない、というだけの話)

 そんなわけで、僕にとってのハロプロの一番の魅力は「雰囲気」なので、そうなってくると「企画主導によるドラマ性の演出」にはちょっと抵抗があります。もしまたASAYANみたいなドぎつい仕掛けをするようになったら、ハロプロの雰囲気は確実に変わると思います。大きくガラっと変わるわけじゃないかもしれないけど、それまでと少し違う雰囲気にはなると思いますね。たぶん℃-uteみたいな仲良し姉妹みたいなグループは生まれなくなるんじゃないかなぁ。紺野さんや亀井ちゃんや熊井ちゃんみたいなおっとりしたメンバーも、今よりもずっと出て来にくくなるような気がします。出てきたとしてもそんな"メディアに不向きな特徴"はすぐに直っちゃうでしょうね。おそらくハロプロの魅力の一つである「ナチュラル」はかなり損なわれちゃうんじゃないかと…。
 なので、企画によるドラマ性の演出が一般層にウケる可能性があるとしても、僕はそれにはあまり賛同できないです。もちろんハロプロのアーティストにはブレイクしてほしいですよ。でもそのために僕が一番魅力を感じてる部分が犠牲になるのは、僕にとっては本末転倒なんですよね…。なんとか今のハロプロのままでブレイクする道はないものかなぁ。