光井愛佳・鞘師里保の負傷療養について思うこと

 愛佳ちゃんが春ツアーのDVD収録の日まで怪我を押して乗り切ったことについて、僕は立派だと思ってます。単純にそう思ってます。
 「怪我を自覚した時点で無理をせず治療に入るべきだった」「どうして大事を取らせなかったんだ」という意見もありますが、僕は当事者(究極的には本人)の判断を尊重します。健康は大切だけど、健康だけが価値判断の全てではない。っていうか、メンバーもスタッフさんも健康が大切なことは重々わかった上で、それでも出演という判断に至ったというのが普通の見方じゃないですかね?

 ハロプロのコンサートは、よく行くファンにとっては恒例のものかもしれないけど、メンバーにしてみれば1回1回、「来てくれたお客さんの一人でも多くの人にファンになってほしい」と思ってやってるだろうし、グループの一員としての使命感も強いものがあるでしょう。前にまいみーがブログで紹介してた石川梨華さんのエピソードも印象的でしたね。「舞台裏ではすごく体調が悪そうだったのに、直訴してコンサートに出演して、ステージでは体調が悪そうな様子は一切見せなかった」って。
 さらに単独コンサートのDVD収録というのは「1年に2回の、数ヶ月にわたるツアーの集大成」じゃないですか。日々頑張ってることを作品として残せる1年に2回の機会。そこで自分自身のためであれ、グループのためであれ「DVD収録まではやりきる!」という判断は、僕は全然アリだと思います。アスリートにとっての、シーズン終盤の最も大切な試合みたいなもんですよ。そこで「出る」という判断をしたからこそ、ファンは春コンのライブDVDでフルメンバーのモーニング娘。が見れる。そういうDVD作品を残せた。そのことにどれくらいの価値を置くか。メンバーやスタッフさんたちがその辺を総合的に考えて下した判断に対して「健康のほうが大事だろ」とは言いたくないですね。そんなこととっくにわかってますよ。

 結果的に今回は最初の診断よりも回復がかなり長引いてしまって、このことについてはメンバーもスタッフさんも予想外だったでしょう。回復が3・4ヶ月もかかるくらいの負傷だと予測できるような症状であれば本人も休んだだろうしスタッフさんも絶対に休ませたと思います。っていうか、そもそも踊ることが不可能だったはず。この「当時誰にも予測不可能だったこと」について責めるのはフェアじゃない。
 
 秋ツアー最終日の武道館公演は、長くリーダーとしてグループを率いてくれた愛ちゃんの卒業公演。メンバーやスタッフさんたちにとっても、ファンにとってもその意味はすごく大きい。二人の加療期間は里保ちゃんが6週間、愛佳ちゃんが8週間と、武道館公演に間に合うかどうかかなり微妙なところです。
 愛佳ちゃんと里保ちゃんが出演するかどうかは、そのときの怪我の状態と卒業公演という重要性を、本人やスタッフさんたちが熟慮した上で決めてくれると思います。そしてスタッフさんはリスクのある場合は無理はさせないと思います(過去もそうだったでしょう)。でもリスクが少ないと思われる場合、出演を認める方向に傾くことはあるかも。
 「完治ではないが悪化のリスクは低い」場合、愛佳ちゃんと里保ちゃんが出演を決意し、それをスタッフさんが認めたとしても、僕はそれらを非難しません。万が一、それで完治が長引くことになったら、おそらくファンは「なぜ大事を取らせなかった」「体のことが一番大事だろ」の大合唱になるでしょうね。僕はそういうのはもういいです…。
 愛ちゃんの卒業公演という意味の大きい重いその公演に、病み上がりの状態を押して出る価値があるかどうか、当事者にしかわからないものもあると思います。「出る価値がある」と判断するなら、それはそういうもんなんでしょう。僕にはそれを「間違ってる」とは言えない。健康が大事なのはみんなわかってますよ。でも、健康以外のものにも価値を見てもいいじゃないですか。それを否定するのは、僕にはどうも不遜に感じちゃうんですよね…。

 実際はどうなるかわかんないですけどね。ダンスなしで歌だけ参加っていうパターンも十分有り得ますし。
 どういうかたちになるにせよ、秋ツアーやその千秋楽にギリギリの判断で「出演する」という状況があったとして、それを安易には非難したくないというのが今の僕の考えです。