金曜ロードショー『エヴァンゲリヲン劇場版 破』

 観るのは今回で二回目。そんなに覚えが良いほうじゃないんで、今回もいい感じに新鮮に観れました。
 オープニングの5号機の戦闘から、2号機登場・戦闘まで。ここまではいかにもロボットアニメって感じですね。相変わらず使徒のデザイン良いなー。弱いけど(笑)。
 落下型使徒、撃退。シンジ君頑張ってますね。中学生で、こんな死と隣り合わせの目に合わされて頑張ってるのに、シンジ君を叩くアニメファンって酷い(笑)。個人の力を示せず落ち込むアスカ。時間尺が短いから仕方ないんだろうけど、アスカの心理的展開が早いなぁ。
 レイもいろいろと物分かりが良い…。テレビ版みたいにはゆっくりできないですもんね…。劇場版は劇場版と割り切るしかないのか。まぁテレビ版の"キャラの成長の遅さ"に文句をつけてた人にはこれくらいサクサク進んじゃうほうが調度いいんでしょうね。
 それと6号機が出てきたりして、『人類補完計画』周辺の設定の"辻褄合ってる感"が高いのも、その辺を批判してた人には満足できる点では?

 やはりガイナックス(正確には"カラー"?)の所々の絵や演出にはハッとさせられるなー。なんとも言えない魅力があります。風景、使徒、3号機を虐殺して夕闇に立つ初号機。
 ゼルエルさんパワーアップしてる…!。っていうか、それまでの使徒が比較的あっさり撃退出来ちゃってるもんだから、ゼルエルさんだけが唐突に強すぎる(笑)。この辺も映画という時間の短い中でやらなきゃいけない難しさですかねぇ。テレビ版だと一つ一つの使徒がもっと"強敵"に描けてるんですが。それと、もうちょっと新キャラさんに活躍させてもよかったのでは?(笑)
 ゼルエル、零号機を捕食。ゼルエルの姿形に綾波の肉体が現出。こういうイメージを絶妙なバランスで映像化出来ちゃうところに惹かれます。
 
 1回目に観たときも思ったけど、やっぱり初号機覚醒からのラストシーンは良かった。「動け!動け!動け!、、、」じゃなくて「綾波を、返せ…!」のほうもキマってますね。
 しかしオフィシャルには"覚醒"っていうのはどこからを指すのかなぁ?「綾波を、返せ…!」から?初号機の頭上に同心円の波のようなものが生まれて初号機が浮き上がっていくところから?
 周りを浮遊する瓦礫の中心に、覚醒した初号機。なんか映像のパワーがすごい。映像の力だけで説得されちゃうっていうか。シンジ君の言うとおり「これでいいんだ…」って思えてきちゃう(笑)。説明役の赤木博士のセリフ回しも素晴らしい。

 で、エンディングテーマはカットで、冬月先生のお子さん(?)が登場して『破』は終了。『Q』も楽しみだなぁ。良いおさらいになりました。
 
 放送時間の都合で、所々カットされて短くなってるからか、全体を通してシーンのリズムが悪くなってたような…。
 『序』を観たとき、一番がっかりしたのは「画面のテンポやリズムの悪さ」だったんですよね。僕が好きだったテレビ版のテンポ・リズムじゃなかった…。テレビ版はもっと緩急があったと思うんですけど『序』は「急」ばっかりだった印象で、なんかイマイチ乗れませんでした。「緩」が少なすぎるんですよね。もっと溜めや余韻があって、緩急のメリハリがあったエヴァのテンポが好きだったのに。
 その点、『破』はテレビ版ほどは良くないけど、『序』よりはテンポやリズムの点で結構良くなってた印象があったんだけど、今回放送されたバージョンはそうでもなかったなぁ。今回放送されたバージョンで、大きくカットされたシーンは第3新東京市の夜明け、加持のスイカ、夕暮れのシンジ・トウジ・ケンスケくらいですかね。あとは細かくちょこちょこカットされてた様子。そのせいでフルバージョンよりもテンポが悪くなっちゃったのかもしれませんね。
 ま、そもそも映画二作で初号機覚醒まで進んだわけなんだから、それだけ話を詰め込もうとすれば、なかなか緩急の「緩」にあたるシーンは入れにくいんでしょうねぇ…。でも『破』までで話はかなりところまで進んだはずだから、『Q』は時間的には比較的余裕があるんじゃないかなぁ。『Q』では本来のエヴァのテンポが復活しててくれたらうれしいな。