今夜もうさちゃんピース 110903 道重さゆみ

 秋ツアーでは、リハーサルのときから愛ちゃんと最後のツアーだということを意識して、愛ちゃんのことをよく見てた。でもリハーサル現場では「愛ちゃんの最後のツアー」っていう空気が流れることはそんなになかった。
 でもそんな中、さゆみにとっては愛ちゃんを見てるときよりもガキさんを見てるときのほうが切なかった。ガキさんが考えてることを想像すると、「ガキさんってすごい頑張ってるんだなぁ」って思って感動する。ガキさんは周りのことを考えて行動する。好きに食べたり、好きに笑ったり、好きに泣いたりはしない。
 私は愛ちゃんとは先輩後輩だし、仲は良いけど喧嘩をするほどまで距離が近いわけじゃない。ガキさんは愛ちゃんと同期で、喧嘩も乗り越えて今の関係がある。10年も愛ちゃんと一緒に同期として活動してきたガキさんが一番泣きたいはずなのに、私やフクちゃんのほうが泣いてばっかり。そんなときは愛ちゃんも泣いてるんだけど、ふとガキさんを見るといつも泣かないでちゃんとしてる。
 でもたまにさゆみと二人きりになると、ガキさんが泣くことがある。それを見ると「愛ちゃんの前では泣かないようにしてるのかな」「9期を不安にさせないようにしっかりしていようと思ってるんだな」って思う。
 愛ちゃんの卒業を聞いたときに、愛ちゃんがリーダーとして引っ張っていてくれてことや、その後のモーニング娘。の歌やダンスのことを考えるとかなり不安だった。
 でも最近「ガキさんのリーダーもちょっと楽しみだな」っていう気持ちが大きくなってきた。愛ちゃんの卒業をもっと前向きに考えられるようになって、ツアーへのやりがいも強く感じるようになってきた。

 ハロコンの応援席にいるとき、ついステージのほうばかり見ちゃう。スタッフさんにも「もっと客席のほうも見てね」って言われてそうしようとも思うけど、あの場所にいると自分の感情を抑えられなくて、ステージのメンバーをずーっと見ちゃう。ずーっと見てると、視線を感じるからか、たまにメンバーがチラッとこっちを見てくれる。その瞬間に嬉しくてすごいテンションが上がる。

 「ずっと見てたら、たまにメンバーと目が合う」って、まさにファンがよく言うこと(笑)。

 愛ちゃんのソロがある日、愛ちゃんは「緊張するー」とか言ってそわそわしてる様子だった。それでさゆみがわざと側で「愛ちゃんのソロ楽しみだな〜」とか言うと、愛ちゃんが「緊張するからやめて!」みたいな、そんなやり取りをしつつ本番を迎えた。
 本番の愛ちゃんのパフォーマンスには目が釘付けになった。瞬きするのももったいないって思うくらい。こんなかわいくて、歌が上手くて、"良い人"な愛ちゃんがさゆみたちのリーダーなんだって思ったらすごい嬉しくなった。
 そうしてずっと愛ちゃんを見つめてると、愛ちゃんがさゆみのほうを見てニヤッていう表情をした。それには倒れ込みそうなくらい魅せられた。
 ソロ曲が終わると、9期や他のハロメンがみんな感動して「高橋さんすごいですね!」って言って愛ちゃんのところに集まって行くのがすごい嫌だった(笑)。いや、絶対さゆみのほうが感動してるし!って(笑)。さゆみが一番に愛ちゃんのところに行きたかったのに、悔しかった。
 スタッフさんに「道重、高橋のところに寄って行かないの?いつも行ってるのに」って言われたけど、意地になって「いや、他のメンバーが行くなら私は行きません!」とか言っちゃった(笑)。「他のメンバーと同じことはしたくありません!」みたいな(笑)。他のメンバーが離れて、愛ちゃんが一人になってからも、「後になってから行くのも失礼かな」とか思って、変に意識しちゃって行けなかった。
 そしたら愛ちゃんのほうから来てくれて「さゆ〜、ずっと見てたやろー」って声をかけてくれた。それがすごい嬉しくて、「(愛ちゃんのこと)好きすぎる!」って思った。その後で一緒にパフォーマンスをして、そんなすごい人と一緒にパフォーマンスしてることを改めて感じてグッと来るものがあった。
 愛ちゃんはそんなにかっこいいのに、普段は後輩とも同じ目線で喋ってて全然高飛車じゃない。だから慕われるんだろうなって思うし、私も愛ちゃんみたいになりたいって思う。

 大笑いするときには、ちゃんと口に手を添えるように気をつけてる。

 (リスナーさんからのメール。新曲の「愛の力 愛の叫び」(高橋)、「ガキ扱い」(新垣)、「さぁゆけ」(道重)、「前例なんて」(田中)の語呂合わせについて)
 すごい!これさゆみが気づいたってことにしていいかな?今、メンバーにも言いたいし、つんくさんにもメールしたいし!いろいろ言いふらしたい。なんでつんくさん、このことをさゆみたちに言わないんだろ?私たちが知らないうちにやってるのがいいのかな。心のなかでニヤニヤしてるのかな。愛ちゃんのラストシングルで年上メンバーの4人の名前が入ってるっていうのが嬉しい。

 24時間テレビに出演して、『でっかい宇宙に愛がある』を歌わせてもらった。
 その振りの中でモーニング娘。とドリムス。のそれぞれのメンバーがひとりずつ背中合わせになるところがあって、その私の相手は石川梨華さんだった。嬉しい反面、ちょっと複雑な気持ちもあった。いや、複雑っていうのはちょっと怖いとか緊張するっていう意味ですよ?
 簡単な振付けだったんだけど、石川さんは心配性なのか、本番前に「さゆ、練習しよ」って言われて、2〜3分ほど一緒に練習した。この一曲にかける石川さんの熱意も伝わってきたし、私もちゃんとしなきゃなって思って、背筋がピンとなった。簡単な振りだからって軽く流してちゃダメなんだなって。
 石川さんと喋ると一番初心に戻れる。当時の気持ちを思い出すっていうか。石川さんに一番注意されたし、仕事が一緒になることが多かったので。

 さゆみん、やっと「背筋が凍る」はちょっと意味が違うのに気づいたか(笑)。「複雑」を「ちょっと怖いとか緊張するっていう意味」と補足してたけど、「怖い」はフォローになってないんじゃないかな?(笑)