新垣里沙、モーニング娘。卒業

 僕はメンバーの悪口は極力言わないようにしてます。たとえ狼でも。まぁ、そもそも「言いたくならない」ので、我慢してそうしてるわけじゃないんですけどね。だからガキさんの悪口も言ったことはないです。加入当時のガキさんは”チャイドルっぽい(否定的な意味で)”って言われてて、僕もそれは感じてたけど、同時に「3年後には美少女になってるだろうなー」とも思ってて、先を見据えた加入として肯定的に見てました。
 だから写真集『Lucky Girl』『あま夏』の頃、ガキさんがそのポテンシャルを開花させてくれたのを見たときは嬉しかったなぁ。あの頃はハロプロの中でも一番好きなメンバーだったかもしれない。歌も急速に上手くなってたので、「もう少しすればメインボーカルの一角になれる」と思ってました。

 その後、おそらく愛ちゃんに影響されたんだろうと思うけど、ガキさんは大人っぽい格好を好むようになってしまいました。元々のルックスはかわいいのにそのかわいさを殺すようなメイクをするようになって、ファンとして歯がゆい思いでした。
 また、亀井ちゃんも言ってたように、後輩メンバーの面倒を見たりグループをまとめなきゃいけないって思いが強すぎて、そのことばかりに気を取られてる姿を見るのもつらかった…。
 それと、歌い方が変わっちゃったのも残念でした…。それまでは自然な発声でかなり上手くなってたのに、急に野太い声を出そうとするようになって、一時期下手になっちゃいましたね。それからまた挽回して上手くなってくれたから良かったんですけど。
 でも僕はガキさんの「少年っぽいけど優しい声」が好きだったので、「優しい」ソフトな部分が減少して、ひたすら力強い声・大人っぽい声を出そうとする方向に行っちゃったのは残念でした。もっと自然体で、幅広い曲を歌いこなせるシンガーになれるはずだったのになぁ。
 メイクについても歌い方についても、僕の印象ではミュージカル『シンデレラ』の頃から変わっちゃったような気がします。『シンデレラ』のせいかどうかはわからないけど、時期的にはその頃。

 それでも「大人ぶりたい思春期」が落ち着けば元のガキさんが戻ってくるかなって思ってて、ガキさんがリーダーに就任したのはその良いきっかけになると思ってました。しかし、リーダーになって1年も経たないうちの卒業…。
 でもリーダーになってからのこの数ヶ月は、それまでよりも飾らない・自然体なガキさんがいくらかは見れたんじゃないかなって思います。

 なんかダメ出しばっかりになっちゃいましたけど、僕の中でのガキさんは「もっと早くメインボーカルの一角になるはずだった人」なんですよ。こんなもんじゃない。『シンデレラ』の前、歌やメイクのテイストが変わる前のガキさんがあのまま成長してくれてたら…っていうのはどうしても考えちゃいますね。

 そういう口惜しい思いも少しはあるんですけど、でも、ガキさんがこうやってみんなに祝福されながら卒業してくれたのは「本当に良かったなぁ」って思います。加入当時にネットで叩かれてたのも見てたし、何せ僕にとってはハロプロで一番好きなメンバーだったこともある人だし、何よりも僕の大好きなモーニング娘。を長い間サブリーダー・リーダーとして下支えしてくれてたメンバーでもあるわけですから。そういう”縁の下の力持ち”的な面はなかなか表に出てこないでしょうけど、グループが活動していく上での貢献度は計り知れないですよね。そして最後はリーダーとして、加入したばかりの9期10期を率いて、魅力的なモーニング娘。にまとめあげてくれた。そんなガキさんが良い形で卒業という晴れ舞台を飾れて…、加入当時あんな叩かれてたあの12歳の少女がこんなハッピーエンドを迎えられて、本当に良かったです。