教育に体罰は100%ダメという風潮

 なんかメディアから「体罰は絶対にあってはならない」みたいな空気を感じるんですけど、実際に今荒れてる学校はそれでやっていけるんでしょうかねー?

 僕は中学までは地元の学区の公立に通ってて、そこにはやっぱりいわゆる”不良”っていうグループに属してる生徒もいました。僕と同学年の不良たちは、学校内ではわりと大人しくしてくれてて、誰かをいじめるとか授業をぶち壊すとかはほんとにたまーにしかなかったから、まだ良かったほうだと思うんですけど(笑)。でも、大人になってから、その不良たちが市内でかなり有名だったのを知ったときはびっくりしました(笑)。そういえば「昨日○○中にケンカしに行って…」みたいな話をしてるのを聞いたことあるわ…とか思い出したりして(笑)。
 地方都市の小さな中学校で、その不良たちも小学校からの友達だったり、同じ部活の仲間だったりもしたので、僕は不良グループに入ってなかったけど、まぁ同学年の友達として普通に喋ってはいたんですよね。だから「あいつら、そんなに激しいことしてたのか!」って(笑)。

 そんな不良たちが校内ではわりと大人しくしてくれてたのは、たぶん生活指導の先生が上から押さえつけてたからだと思うんですよね。ときには暴力を使って(笑)。その先生は高圧的で独善的なところがあったから、僕もその先生のことは嫌いだったんだけど(笑)、今思えば、その先生がいなかったらもっと学校は荒れてたと思うし、授業もぐちゃぐちゃになってたと思うんですよね…。

 公立でも私立でも、偏差値上位の学校は体罰なんてしなくても余裕でやっていけると思うんですよ。でも、偏差値下位の学校は…。僕が行ってたような”地元の公立中学校”とか、「どの先生も絶対に体罰はしません!」って最初から言い切っちゃったら、本当に学校を荒れさせずにやっていけるんですかね? 確実に校内は荒れるし、授業のクオリティは落ちていくと、僕は思います。
 それで割を食うのは、”地元の公立中”に通う(不良じゃない)普通の生徒じゃないですか? 授業が崩壊したら勉強する気も起きなくなるだろうし、そこで1人良い子ぶってたらハブられるからどうしても悪いほうに流れがちになっちゃうだろうし。

 「体罰ゼロ&学校は荒れる」と「体罰あり&学校は荒れない」だったら、総合的にどっちが子供のためになってるんでしょうねぇ。僕は「体罰あり&学校は荒れない」のほうが子供のためになってる気がするなぁ。今思えば、荒れてない中学に通えてよかったなーって思いますよ。たとえ生徒を威圧して従わせるうっとおしい先生がいたとしても(笑)。

 口頭での指導や対話だけで不良たちを押さえ込めるとは思えないんですよねー。そりゃ、それが出来るすごい優れた先生もたくさんいると思いますよ? でも、こういうことを考えるときは”平均的な能力の先生”に可能かどうか、というレベルで考えないと。
 それでも世論は「それをやるが教師だろ?やれよ。プロだろ?」って言うんですかね? そんなこと言ったって、先生だってただの人間なんだから、不可能なもんは不可能だろうと思うんですけど(笑)。

 現状ですら、精神疾患で休職する先生が多いって聞くのに、これ以上先生たちの悩みの種を増やしちゃったら、更にまずい状況になるんじゃないですかねぇ。

 「体罰をなくす」のは理想の方向性としては僕も正しいと思うんだけど、現状で「体罰は100%あってはならない」みたいな風潮にしちゃうのは、”地元公立中”とかに通う普通の生徒やそこで不良と向き合ってる現場の先生たちを苦しめることになると思うなぁ。