中島早貴のキュートな時間 130330

 『さくらの花束』は、顔合わせのとき初めて台本をいただいて、ページをめくってチラッと見てみると、私が演じる朝倉かのこちゃんのセリフだけのページが5ページくらいあって、それにまずびっくりした。お客さんを舞台にグッと引きこむには冒頭の長台詞をテンポ良くやらないとダメだと思ったし、それを全部私一人でやるっていうのが不安で仕方なかった。
 でも、こういう役をくださった脚本家の坪田さんにすごく感謝してる。舞台『ファッショナブル』のとき、坪田さんが「今度なっきぃメインのお話を書きたい」って言ってくださって、その言葉通りにこんな大役をくれた坪田さんにほんとに感謝してる。私の演技の幅を広げてくれた役だなって思ってる。
 稽古中は台詞を覚えるのにも必死だったし、後輩の子とコミュニケーションをとるのにも必死だったし、とくかく必死で必死で仕方なかった(笑)。
 かのこは、普段から自分を演じてる子。本当の自分はか弱くて色々考えてたり寂しさも持ってる子なのに、みんながいる前では強がってたり、逆に「ここで強がってたら何か言われちゃうんじゃないか」って考えて目立たないようにしてたり。そういう役だったんで、必要とされる演技の幅が広くて、私が見せられるお芝居の全部の引き出しを開けたって感じです(笑)。私、お芝居が好きなので、かのこちゃん一人で10人くらいの性格を演じられたかのように、性格の切り換えが出来て楽しかった。
 もし、他のメンバーが演じた役をやらせてもらえるとしたら、リーダーがやった学級委員長の役をやってみたい。そのステージは福永マリカちゃんとの二人芝居で、マリカちゃんは舞台2作目なんだけどすごく演技が上手くて、マリカちゃんともっともっと一緒にお芝居したいなって思った。
 かのこに切羽詰まったときには、「私が委員長の役を演じてたらどういうふうになってたのかな?」とか考えて、頭を切り替えて気分転換してた(笑)。かのこの芝居に入れ込みすぎると、私までかのこの性格になっちゃいそうで(笑)。

 3館同時公演はシアターグリーンを建てた朝比奈さんが建てた当時からやりたいって思ってたことだったらしい。朝比奈さんがいろんな人に「やりたい」って言ってて、ようやくそれが叶って、「この『さくらの花束』でそれが叶って良かったなって思ってます」っていう言葉をくださった。なんか…、大人が言ってる言葉ってジーンと来ますよね(笑)。打ち上げのときにも何度泣きそうになったか(笑)。演出家の大岩さんも出演者一人一人にコメントをくれて、私にもすごい意味の深いことを言ってくれて、その言葉に泣きそうになった。

 春ツアーで続々とSOLD OUTになった会場が出てきてて、ほんとに嬉しい。『神聖なるペンタグラム』ツアーもSOLD OUTしたんだけど、「公演数が少なかったからかな」って思ってたんだけど、今回は普通の長さのツアーでSOLD OUTの会場が出てきてるんで。