おしかけスピリチュアル 130423 嗣永桃子 スピリチュアル女子大生・CHIE

 もちろんももちをお目当てにこの番組を見てたんだけど、あの”スピリチュアル女子大生・CHIE”さんとかいう怪しい人がやたら気になりながら見てしまいました(笑)。
 「霊視能力あるんですよー。それ以外は至って普通の庶民的な女子大生なんですけどね」みたいな、わりとリアル系なアプローチの人だなーと思いながら見てると、「前世を見ましょう」っていう展開になって「おいおい、せっかくリアル寄りなキャラ設定にしてるのに!」って思っちゃいました(笑)。

 この「前世を見る」っていうのは、結果的に「前世はありません」っていう場合はあるんですかねぇ?
 例えば、ももちの生まれた頃の世界人口を60億人とすると、30年くらい前が30億人、60年くらい前が20億人。なので、ももち世代では前世を経験してるのは2〜3人に1人だけで、2人に1人or3人に2人は「前世がない」ことになると思うんです。
 いや、「あなたの前世は中世ヨーロッパの吟遊詩人で…」とかいう場合もあるから、死んですぐ生まれ変わるわけじゃないパターンのことも考えると、その場合は年代がもっと遡って、生まれ変わりの確率はもっと低くなりますよね。
 もしCHIEさんが何人かに1人の割合で「あなたには前世がありません」って言う人だったら問題ないんですけど、でもスピリチュアルで売ってる人で「前世を見れます」って言ってるわけだから、たぶんみんなに対して前世を言ってあげてるんだろうなぁ、と。

 なんでこういう人が”スピリチュアル女子大生”とか言われて、もてはやされるんだろう…?って考えちゃいましたね。
 細木数子さんや江原啓之さんをかなりダウングレードしたような人だけど…。
 江原啓之さんがテレビから姿を消してからは、スピリチュアル業界はこれといったテレビスターがいなくて、下火になってた状況があって、次のスターが待ち望まれてたんだろうと思います。
 番組制作サイドとしても、占いやスピリチュアルの根強い人気からして人々の多くが「潜在的に占い師を欲してる」のは明らかなわけで、スピリチュアル絡みの番組でヒットを狙いたいと考えるのも当然の発想です。
 そこで、スピリチュアル業界的にも、そういう番組でヒットを狙いたいテレビ的にも、CHIEさんをプッシュしていこうということになってるんじゃないかと。
 で、細木数子さんや江原啓之さんよりも、もっとカジュアルな感じのほうがいいだろうっていう読みなんじゃないかなって思いました。細木さんや江原さんのような、ある種”凄みのある人”じゃないほうがいい。凄みのある人は「重すぎる」。演者は、視聴者が親しみやすい明るくて大らかな感じの女の子で「普通の女子大生なんだけどたまたま能力があるんです」くらいのカジュアルな感じのほうがいい、と。

 CHIEさんはたぶん元芸人か元役者だろうなーって思ってググってみると、やっぱりそうでした(笑)。
 http://ja.wikipedia.org/wiki/CHIE_(%E3%82%BF%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%83%88)
 他にもいくつかCHIEさんの人物紹介の記事やCHIEさんのことをまとめたサイトも見てみたんですけど、CHIEさんの特集記事で同業の人が「CHIEさんの能力は本物」みたいな感じで太鼓判を押してたりと、スピリチュアル業界的にもCHIEさんにすごく期待してる感じが見受けられました。
 「もっと出所がわからない人を使えばいいのに」とも思ったけど、ある程度の人当たりの良さや演技力も必要とされるので、全くの素人からそういう人をピックアップするのも難しいんでしょうねぇ。
 本物の「普通の庶民的な女子大生の霊能者」はテレビカメラの前であんなに自然に「普通の庶民的な女子大生の霊能者」っぽく振る舞えないですからねー(笑)。「普通の庶民的な女子大生の霊能者」にしてはキャラ作りや演技がバッチリ過ぎました(笑)。
 CHIEさんのルックスは柳原可奈子さんを連想しちゃったんですけど、柳原さんとの共通点である「ネアカっぽい性格」「ふくよかさ」は大事なポイントでしょうね。安心感があるというか。大らかな人っていうイメージにつながるので。スピリチュアルをカジュアル化させるのにはかなり適した人材だと思います。
 万が一、何かやらかしてしまった場合にも、まだ若い女の子だから世間も「若気の至り」「大人の言うことを聞いただけ」とバッシングもあまり強いものにはならないだろうし、番組への批判も最小限に抑えられそうな気もします。

 霊視の各段階を『ドロップイン』『ダウンロード』みたいにネーミングする演出は、カジュアルさを出しつつ「能力は本格派ですよ」っていうアピールを意図した念入りな演出でしたね。まぁ、これは僕は狙いすぎであざといと感じましたけど(笑)。

 こういった「カジュアル化」が結構重要なポイントだと思いました。スピリチュアルみたいなものがカジュアル化してしまうと、一見、信憑性が下がって良くないような気がするんだけど、実は「普及度が上がる」っていうメリットもあるんですよね。「占い」がわかりやすい例で、占いはもうかなり昔から、新聞・雑誌・テレビ・ネットなどの各メディアでめちゃくちゃカジュアルなコンテンツとして楽しまれています。でも「信憑性がないから」といって衰退していく様子もない。カジュアル化すると、確かに信憑性はなくなるんだけど、広く普及するようにもなって、結果こっちのほうが商売としては強いかもしれないんですね。
 でも、悪徳な霊能商法もあると聞くので、スピリチュアルがカジュアル化して社会に浸透するのはどちらかと言えば良くない影響のほうが強いと僕は思いますが…。
 CHIEさんが今後「どれくらいメジャーになるのか」「どれくらい世間に受け入れられるのか」はカジュアル化の一つの目安としても見れると思うので、結構興味深いです。