『LOVEマシーン』をパフォーマンスする難しさ

 先日の『MUSIC STATION』出演で『LOVEマシーン(updated)』を披露したモーニング娘。
 ファンとしては「またこの曲か…」「『What is love?』をフルでやってくれたほうが嬉しいんだけど…」っていう気持ちもあるけど、ファン以外の人へのツカミの曲と考えるとやっぱりこの曲になっちゃうんでしょうねぇ…。
 『LOVEマシーン』って歌やダンスをきっちりパフォーマンスするだけだと何かが足りないような感じがしてしまう、なかなか困難な曲だと思うんですよ。若いメンバーの多い現体制だと特に。
 簡単に言うと、無理矢理にでもテンションを上げて「やりきる」ことが必要な曲だと思うんです。なんか「吹っ切れてる感じ」がないといけない。
 それは今のメンバーが怠慢をしてて、やりきってないという意味じゃないです。それよりも、今のモーニング娘。と当時のモーニング娘。の状況の違いが大きいですね。今のように小学生・中学生の頃から加入して先輩を見ながら育っていくというのではなく、中澤さんや石黒さんを筆頭に「ここで成功してやる!」という意識がメンバーの中で高かったこと、「ヒットを出さなければこのユニットがいつ消滅するかわからない…」という危機感のある状況、和田マネージャーや夏先生などの厳しいスタッフさんがついていたこと。

 モーニング娘。黄金期が終わってしばらくすると、ファンの間からも「もう『LOVEマシーン』はしなくていい」「今の娘。に『LOVEマシーン』は似合わない」っていう声がよく上がるようになって、僕もそれには同感でした。
 でもたまに「この『LOVEマシーン』、良いな」って思うときもあるんですよね。それは例えば2009年秋の久住小春ちゃんの卒業コンサート。卒業セレモニーが終わり、涙と気合のこもった『SONGS』があって、最後のMCがあった後の『LOVEマシーン』。あの『LOVEマシーン』にも”吹っ切れた感じ”があったんですよ。メンバーがそのときどんな思いを抱えてたか本当のところはわからないけど、悪い意味ではなく「もうどうにでもなれ!」「とにかく今はこのパフォーマンスを楽しむしかない!」みたいな(笑)。

 今の若いメンバーにとってそういうニュアンスを出すのは難しいことかもしれないけど、いつかまた「そう、これこれ!」って思えるような『LOVEマシーン』が見れたらいいなって思ってます。
 あ、『The Best!〜Updated モーニング娘。〜』のメイキング映像で、メンバーが10人で輪になってレコーディングしてはっちゃけてるシーンがあったけど、あのときの雰囲気がそれに近いのかも。