道重さゆみ卒業後のモーニング娘。

 僕はブログでもtwitterでも、高橋愛さん・新垣里沙さん・田中れいなさんの卒業に対して、そんなに大げさに悲しむようなリアクションはしてきませんでした。それは、実力あるパフォーマーが抜けることへの残念さや愛着あるメンバーがいなくなる寂しさは感じてはいたんだけど、もう一方で「さゆみんさえいてくれればモーニング娘。はなんとかなる」と思っていたからです。

 アイドルグループにおいて、「メンバーと番組共演者との架け橋」「メンバーと一般人との架け橋」になれるメンバーがとても重要だと思っています。それはモーニング娘。で言えば、中澤裕子さんとさゆみんが典型例。AKB48さんで言うと高橋みなみさんになるのかな。

 さゆみんが卒業した後のモーニング娘。はちょっと苦しい展開になっていくかもしれません。
 たぶん中澤さん卒業後のモーニング娘。に近い感じになると思います。道重さゆみ中澤裕子という「メンバーと番組共演者との架け橋」「メンバーと一般人との架け橋」になれるメンバーがいなくなる損失は大きいです。
 中澤さん卒業のときはそれまでに貯めておいた「人気の貯金」が莫大にあったから、それでもまだその後2〜3年はなんとかなりました。今はそんな重要メンバーの卒業をカバーできるほどの「人気の貯金」はありません。さらにさゆみんは11年というキャリアを重ねて「中澤さん(当時)の大幅強化版」と言っていいくらいのトーク力・判断力です。
 今の状態でさゆみんが卒業するとなると、9期以降のメンバーは相当頑張らないと人気を維持するのは難しいと思います。

 さゆみんがいなくなったら、メンバー同士でのトークとか、テレビ番組に出たときの受け応えとか今よりもグダグダになると思うし、たぶん一般の人からは「モーニング娘。はつまらなくなった」と映ると思います。『リリウム』の囲み取材とかを見てても、ちゃんと喋れてはいる(まーちゃん以外)んだけど、笑いはとれていない(まーちゃん以外)んですよね。

 そこでよく言われる「アイドルなのに笑いを取らなきゃいけないのか?」という疑問に対する答えは、身も蓋もないことを言えば「YES」です。「これまでハロプロが続けていたようなマイペースで地道な活動で満足」というならそこまで「笑い」は必要ではないでしょうが、メンバー(やファン)が夢見ているような大メジャーな存在にまでブレイクするにはやっぱり「笑い」は必要です。そのことをハロプロファンに一番体現して見せてるのがさゆみんやももちでしょうし、他のAKB48さん・ももいろクローバーZさん・Perfumeさんなんかを見ても、「楽しいトーク」や「笑いを取る」ということがいかに重要かは一目瞭然ですよね。何よりモーニング娘。のブレイクということを振り返っても、『ASAYAN』『うたばん』などでのナインティナインさんや中居さん石橋さんのアシストは大きかったわけですし。

 なので、さゆみんの卒業がファン数の減少にどれくらい影響するのかな…っていうのは、2000年以来ずっとファンを続けてて今のところ全くヲタ卒する気のない僕としてはちょっと気になります(笑)。「9期加入からファンに復帰した」「EDM路線になってからまたファンに戻った」っていう人がよくいるので、「やっぱり調子が悪くなっちゃうとそういう人はまた離れちゃうのかな…」って。いや、それが自然なことなんですけどね(笑)。たかがエンタメなんだから、自分が魅力を感じないと思ったらファンじゃなくなるのは別に全く自然なことなんですけど、古参ファンから言わせてもらえば「長いスパンで見るからこその面白さもあるよ!」とは言っておきたいです。たとえば今回の「道重さゆみの卒業発表」という出来事にしても、ずっと見続けてきたファンと最近ファンになった(戻った)人とでは、感じ方は微妙に違うでしょうし。物語性・歴史(ハロプロ史・メンバー史)・ハロプロの哲学や美学といった部分で、長いスパンで見てるからこそ楽しめる面白さがあると思います。

 もしさゆみんの卒業でモーニング娘。が多少つまらなくなったとしても、見切りをつけちゃうんじゃなくて、ライトファンでいてくれたらな、って思います。