サッカーワールドカップ2014日本代表

 日本代表の歯車を狂わせたのは大久保だったのかも…。いや、大久保自身は悪いわけでは全くないし、むしろ日本の中では健闘してくれた選手の一人だったわけですけどね。
 でも、日本のチーム力のキモである「連携」ということを考えると、選手の好不調はさておいて、柿谷・香川・本田・岡崎・長谷部(山口)・遠藤というお互いをよく理解している、ここ最近上手く行っていたスタメンで試合に入ったほうが落ち着いてゲームメイク出来たんじゃないなって思います。
 「短期決戦では好調な選手を使うべし」というのはセオリーだけど、こと日本代表に関しては、スピードやドリプルによる突破ではなく連携プレーによる攻撃スタイルなんだから、まずは連携重視のスタメンでゲームに入っていくべきだったと思います。そして後半まで試合を運んでから大久保や大迫を攻撃カードとして使うと上手くいったんじゃないかなって、今にして思えばそう思いますね。
 誰が悪いとかじゃなく、皮肉にも「監督に『先発で使いたい』と思わせるほど大久保・大迫が好調だったこと」が日本にとっての”不運”だったんじゃないかなっていう気がしてます。
 まぁ結果論なんですけどね。この僕の考え方で戦って敗退してたら「なぜ好調な大久保を先発で使わなかった?」って批判が起きただろうし。

 今回の結果を受けて、たぶん「パスサッカー批判」が論調の主流になってくると思うんですけど、僕はそうなってほしくはないですね。日本選手の身体能力から考えて、パスサッカーの方向性は正しいと思います。今回はまだ未熟だっただけ。
 そりゃ日本にも世界レベルのFWを抑え込む屈強なディフェンダーや世界レベルのディフェンスに対して決定的な仕事の出来るアタッカーが育ってほしいですけど、そんな起こる確率の低いラッキーは「あったらいいな」くらいに思うだけにしておいて、一方では粛々と基礎力としてのパスサッカーの継続・改良をしていくべきだと思うんですよね。
 ギリシャ戦の「ボールを奪う守備から速攻に行けたら速攻、行けなかったら急がずパスを回して遅攻」というスタイルは、しばらくの間は日本代表の戦術の基本線にしちゃってもいいと思います。