小田さくらのかわいげ

 小田ちゃんがモーニング娘。に加入して、ファンとしてここまで見てきて、僕が嬉しい誤算(笑)だなって思うのは、「小田ちゃんが思ったよりアーティスト志向じゃなかったこと」なんですよね。

 あれだけ歌えて、頭も良さそうで、ダンスとかの他の一通りのこともソツなくこなす。そして性格的にもさっぱりしてるというか、一歩引いて俯瞰で見てるというか、ちょっとリアリストというか。こんなふうな要素が揃っちゃうとどうしても「アイドルよりもアーティストっぽくなりたい」っていう方向に行ってしまうのが人情だと思うし、思春期の頃は特にそうだと思うんですけど、小田ちゃんは「かわいい女の子が好き」って自称するような性格のおかげか、アイドルであることを楽しんでくれてる感じがするんですよね。
 ブログでのかわいい自撮りだったり、女の子らしいファッション・着こなしだったり、ダンスに垣間見えるかわいらしさの追求だったり。

 ダンスも、例えばあややのように「パフォーマンスと割り切ってかわいいダンスを踊ってる」わけじゃなく、小田ちゃんは自ら楽しんでかわいいダンスの見せ方を追求してる感じがあるんですよね。アーティスト方向に行かずにアイドルを続けるにはこういう資質を持ってることはすごく大事だと思うんですよ。やっぱり本人が「アイドルっぽいことはしたくない」って思っちゃったら、周りがその意思を抑えつけてまで無理矢理やらせるのには限界がありますから。

 このまま、アイドルのまま、すごくなってほしいなって思いますね。「アイドルからアーティストに」なるのではなく、「アイドルから偉大なアイドルに」なってほしいです。後者のほうが、圧倒的に成功例が少なく、すごいことだと思いますし。
 僕は松浦亜弥さんが「偉大なアイドル」になってくれるんじゃないかなって期待してたし、そのポテンシャルは十分あったと思うんですけど、(いわゆる)アイドルで居続けられなかったのはやっぱりメンタル的な部分で向いてなかったのが大きかったんだと思います。

 小田ちゃんがソロとして偉大なアイドルになれるかと問われれば、今の時代性や音楽シーンを鑑みると、相当難しいことかもしれないけど、「モーニング娘。の主要メンバーとして偉大なアイドルと見なされる域にまで到達する」っていうことならば十分に実現可能性のある話だと思います。