モーニング娘。'14 コンサートツアー秋 GIVE ME MORE LOVE 〜道重さゆみ卒業記念スペシャル〜 横浜アリーナ公演

 横アリ公演を見返しました。今回はさゆみんが足を痛めるというアクシデントがあったのもあって「全てを受け止めたい」っていう気持ちが強くなり、いつもは聴こうとも思わない、メンバーのマイクワッチ音声も聴きました。

 さゆみんはこの公演を「自分自身の最高の出来のステージ」にして有終の美を飾りたかったに違いありません。どの卒業メンバーもそう思って卒業公演に望むものだとは思うんですけど、さゆみんの場合、その想いの強さがあの卒業のスピーチに表れてると思うんですよね。あんなのはさゆみん本来のMCじゃないですよね。だからこそ、どれだけ考えに考え抜いて作り上げられたスピーチだったか、下準備や練習にどれほど時間や労力を費やしたかが窺い知れてしまいます…。さゆみんモーニング娘。として集大成となる最高のパフォーマンスをした後で、あの卒業スピーチをして、「完璧」な卒業公演を思い描いていたんでしょう。当然のことですよね。

 そんな「モーニング娘。人生の集大成にする」と思い描いて挑んであろうコンサートが「壊れて」しまった。やり直しはきかない。思い描いていた完璧な卒業公演はもう不可能。ステージ上では気丈に振る舞いながら、どれほどの悔しさと絶望だったことか…。

 本編ラスト曲まで進み、さゆみんはここでついに堪え切れず人目を憚らず号泣してしまいました。さゆみんの感じた悔しさや絶望を思うと、ここで心が折れても無理もないことだったと思います。むしろここまでよく耐えて頑張った。
 でもさゆみんは曲が進むにつれて号泣から立ち直っていって、それが僕には『Be Alive』がさゆみんを窮地から救い出したように見えたんですよね。『Be Alive』の歌詞がさゆみんの心を解きほぐしたかのように。
 セットリストのあの位置に『Be Alive』があって良かった。この曲がさゆみんに、場の空気に、ポジティブなものを与えてくれて、ライブの流れを変えてくれたような気がします。

 卒業コンサート後のさゆみんの慟哭はどんな感情のものだったのでしょうか。。。『Give me 愛』や『Be Alive』のときの涙は「悔しさ」や「悲しみ」の涙でしかないと思うんですけど、公演終了後の涙は「悔しさ」の涙ではないことを祈りたいです。おそらく一言では表せないいろんな感情からくる涙だったとは思うんですけど、そこに「悔しさ」は出来ればあってほしくない。こんなにも立派にモーニング娘。をやり遂げて卒業したさゆみんに「悔しい」なんて思ってほしくない。思い描いたような完璧な卒業公演は出来なかったかもしれないけど、モーニング娘。道重さゆみの全身全霊のライブは見せられたと思うし、観た人には絶対にそれが伝わってると思うから。

 今さゆみんに何か伝えられるとすれば、「ファンは貴方のパフォーマンスも真心もプライドもちゃんと受け取ったから、どうか卒業公演を誇りに思ってほしい」ということを伝えたいです。