相棒9 元日SP 第10話「聖戦」

 前話「予兆」は劇場版につながるんですね。途中まで、てっきり元日SPにつながるのかと思いながら見てました(笑)。
 今回は冒頭から犯人がわかるパターン。全体としても犯人のほうにかなりスポットが当たってる作りで、犯人のほうをこんなに丹念に描くのは『相棒』にしては珍しいですね。今回は右京さんよりももう南果歩が完全に主役。2時間SPをその演技で終始引っ張ったのは「さすが」の一言です。
 神戸君が被害者の妻と容疑者とを会わせたシーンは、ちょっと神戸君のキャラに合ってないなーって思いました。正義感や同情心をあらわにすることはあるんだけど、あそこまでの無茶はしないっていうのが神戸君のキャラだと思ってたので。
 これ、犯人側からボロを出さないと捕まえられないんじゃないかなーって思ってたけど、やっぱりその通りになっちゃったのが残念ですね。犯人が自ら終幕を引こうとしてくれなかったら捕まえられなかった。こういう終わり方も全く「ナシ」なわけじゃないんですけど、『相棒』はやっぱり証拠から固めていって真相を暴くのが醍醐味なんで、あまりこのパターンは多用してほしくはないなって思います。
 解決シーン。右京さんと神戸君が犯人の近くにいたので、早い段階で「自爆はないんだな」ってわかっちゃったのが残念でした。あそこまで腹の据わった犯人で、しかも自爆するためにあの場所に行ったということをふまえると、僕的には自爆させちゃったほうがしっくり来る感じはしました。それよりも《母性》というものを描き出すことを優先させたのでしょうし、その意図は良いとは思うんですけど。
 なので、終わらせ方だけ少ししっくりこない感じがしましたね。
 全体的には、もう「南果歩GJ!」って感じで、かなり楽しめました。