ラジオ日本「立川志ら乃のサブカル天国」130101・130108 アップフロント執行役員 音楽制作部部長・橋本慎

志ら乃「矢島さんの女子落語だけDVD化が…」
橋本「あれ、撮ってないんですよね」
志ら乃「”プレ興行”だったということで。私は別に”プレ興行”っていうイメージは持ってなかったんですけど(笑)」
橋本「たぶんスタッフ資料のための固定カメラでしか撮ってませんでした(笑)」

 もったいないなー。ファンからしたら、こういうレア感のあるアクトこそ「どれだけ出来てたのか」「どんな感じだったのか」見てみたいと思うのに。

橋本「ベリキューのコラボイベントは、11月にももちが教育実習に行くということで、その時期に残りのメンバーで何をしようか?って考えて、平日にイベントでもやろうかっていうことで春くらいから小屋だけは押えてた。そのときはまだ℃-uteの冬ツアーは組んでいなかった。でも、なかなかイベントの内容が決まらなくて、8月9月くらいになって急いで内容を詰めていった」

 他に、2012年はメンバーの足の故障が多かった、という話題も。ダンスの激しさ・ヒールの高い靴・ライブではつい頑張りすぎてしまうこと、故障の原因として挙げられてました。
 ヒールの高い靴って誰の意見でそうなってるんでしょうねぇ?

 メンバーからの希望? メンバーが「スタイルが良く見えるからヒールの高い靴を履きたい」って言うんなら、メンバーのモチベーションのことを考えると、まぁなるべくそうしてあげたほうがいいんでしょうねぇ。
 ファンからの希望? 僕はヒールの低い靴で全然OKなんだけど、もしかしたら「ヒールの高い靴のほうがスタイルが良く見えるから好き」っていうファンのほうが多いのかもしれない。
 プロデューサーさんや衣装さんからの要望? でも、もし「メンバーもファンもヒールの高い靴を望んでない」としたら、プロデューサーさんや衣装さんがケガのリスクを上げてまで意見を押し通すのはちょっと理がないように思えますね。

 なので、もうそういうの、メンバーやファンの人にアンケート取っちゃえばいいんじゃないかなって思います(笑)。
 僕はヒールの高い靴を履いてほしいなんて全然思わなくて、むしろ「ヒールの低い靴を履いてほしい!」って思ってるくらいなんですけど、もしメンバーやファンの人の中に「ヒールの高い靴のほうがいい」って思ってる人が多いんだったら、それはもうしょうがないと思って受け入れます。でも「ヒールの高い靴のほうがいい」って思ってる人がかなり少ないような状況だったら、ケガのリスクを減らすためにもヒールの低い靴への切り換えをしてあげてほしいなぁ。

橋本「他のアイドルのみなさんはハロプロよりももっと衝撃的なことをいろいろやってると思うんですけど、ハロプロは逆に”真っ当なこと”をやってると思うんです」
志ら乃「そうなんです。『刺激、刺激、、』っていうやり方もいいんですけど、よくよく考えたらこっち(ハロプロ)のほうがすごくね?って思うんです。
 落語もそういう流れがあって、刺激のあるもの・捻ったもの・パロディ的なものが注目を浴びちゃうんですけど、真っ当にやってるのは『真っ当に見えるけど細かい所はすごい考えられてるんだよ』っていう。そのちょうどいいバランスってあると思うんですよね」
橋本「そう。真っ当にやってるだけでは人々は通りすぎていってしまうから、その真っ当の中にいかにケレン味を入れていくか。それをもう一回表現したい」

 やっぱ志ら乃さんは信頼できるなー。全く同意見。
 でもたぶん今流行ってるものを眺めてみると、世の中の大部分の人はそうではないんでしょうねぇ…。世の中の大部分の人は、刺激的なもの・ドラマチックな演出・炎上マーケティングも辞さない話題作りみたいなもののほうが好きなんだろうと思います。実際そっちのほうがウケてるんですから。
 だから、昔よく狼を見てると「ハロプロ復活のために、もう一度『ASAYAN』のような『物語を作る』手法に戻せ」っていう意見が根強かったけど、それは「戦略的に正しい」んだろうと思いますね。

 でもそこで、僕がそういう意見に乗りきれないのは「戦略的に正しいのはわかるんだけど、その路線は”好きじゃない”んだよねぇ…」って思っちゃうからなんですよね(笑)。「好き嫌いなど言ってる場合か!有効な戦略を取って人気回復すべきだ!」って言われれば返す言葉もないんですけど(笑)。

 テレビを見てて、他のアイドルさんが奇抜な企画とか急な試練とかを与えられて振り回されてるのをたまたま見かけることもあるんですけど、そういうのを見ても何も心惹かれないんですよ…。実際面白く感じないんだから、これはもうしょうがないです。僕の感性がそうなんでしょうね。
 振り回されてるアイドルさん自身もそれが「おいしい」ことに半ば自覚的で、わかった上でそういう状況を受け入れて振り回されてる感じにも、「頑張ってるなぁ…」って思うくらいで全然心惹かれるものがなかったり…。

 たぶん”プロレス語り”が好きな人はそういうのを好むんだろうと思うし、実際そういう人の方が多数派なんだなぁっていうのも実感してます。でも、プロレス語りに興味がない僕にはそういうのは向かないみたいですね。プロレス語りも、2chのスレの中でネタとして面白がるくらいなら楽しくて良いと思うんですけど、ファンの人が、キャラとか物語とかを「面白いからもうそういうことにしちゃおう」っていうふうに持って行こうとするのには、なんかついていけないんですよね。
 あと「○○だから、このアイドルはすごい!」みたいな、そういう考え方が僕の中にはないみたいです。「パフォーマンスががむしゃらだからすごい!」とか「楽曲製作を誰々が担当してるからすごい!」とか「アイドルなのに音楽性がヘビーメタルだからすごい!」とか。そういうサブカル的な見方にもうあまり興味が持てなくなってきちゃったんですね…。

 こんなこと言ってるけど、昔の僕だったら”刺激的な演出・物語作り・奇抜なコンセプト”みたいなもののほうに興味を惹かれただろうと思うんですよ。「このアイドルはこんなところがすごい!だから好きになる価値があるんだ」みたいな。でもハロプロの面白さに気づいてからはそういうのはかなりどうでもよくなってきちゃいました(笑)。
 それよりはハロメンがちょっとずつ歌やダンスが上手くなったり、ちょっとずつ自分の個性を出せるようになったり、ちょっとずつ先輩になっていったり、ちょっとずつ戦友になっていったり、そういうのを見るほうが僕はずっと楽しいんですよねー。

 って、なんか話がちょっとずれちゃった気がするけど(笑)、結局「”真っ当なこと”ばかりしてるハロプロでも僕にとっては十分面白い」ということです(笑)。それに、その真っ当さによって、却って今のアイドル業界の中でユニークな存在になってると思うし。
 橋本氏はモーニング娘。全盛期にディレクター(?)としてレコーディング現場で音楽的にかなりの貢献をされたとの噂も聞いたことがあるので、真っ当なハロプロに音楽的な部分でフックとなるような「ケレン味」を与えてくれる存在になってくれたら嬉しいなって思います。